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2010.09.28 (Tue)

オオカミを放て

10HaydenValley_01.jpg
生態系ピラミッドの
頂点に立つのは

肉食動物であり、

私たちが住むような場所では

それがオオカミ
であること、

えこたびは、
認識していませんでした。

ピラミッドの頂点は

クマかと
思ってましたが



10GrandTeton_15.jpg

クマは、雑食なので
食物の大半は

果実、ドングリなどの木の実
魚や昆虫

なんだそうです。

それに、クマさん、
冬は冬眠しちゃうし。

かつての
イエローストーンのように

オオカミが害獣だとして殺害し
絶滅している地域は多く



10MammothHotSprings_15.jpg
肉食動物が不在の

異常な生態系
である地域が

多いんだとか。

我が国の
知床半島においても

世界遺産に
登録されたものの

エゾシカの大繁殖によって

生態系維持が
困難になってきており



10YellowStone_16.jpg

イエローストーンのように

オオカミを
導入すべきではないか

という議論が出ているそうです。

そして、最近

猿に噛まれただとか、
ハクビシンに農作物を荒らされるだとか
イノシシにどつかれるだとか

色々聞かれますが

そういう現象も



10YellowStone_17.jpg
生態系に異常を来しているせいだと
いえるんだとか。

そんな、
生態系ピラミッド必須の動物なのに

オオカミは
赤ずきんちゃんの敵であり

ホラー映画では
悪魔の使者のように登場するなど

私たちには、
あまり良いイメージがない様子。

されど積極的に
人を襲うようなことはなく



Grey_Wolf_02.jpg
家畜を襲う

という問題は
あれども
(←写真は引用(注1))

実は、
上手くつきあえば

害獣を駆除してくれ

しかも、



10Bison_04.jpg

鹿のように
増えるような種族ではないらしく

生態系の冠たる、
貴重な動物なんだとか。

オオカミが
日本から消えて

なんと
もう100年経つそうです。

米国のイエローストーンのように

そして、我が国が
トキを中国から連れてきたように



10YellowStone_19.jpg
オオカミも、我が国で

復活させても
いいんじゃないかと思いました。

今回、イエローストーンを
きっかけに読んだ本

「オオカミを放つ」(注2)

という本のあとがきに...

山を歩いているときに、
オオカミに出くわしたら怖いと思う。

山を歩いていて、
蚊やブヨに刺されると



10WestThumb_04.jpg
いなければよいと
思うこともある。

しかし、
彼らも含めて自然が成り立っている。

人にとって
邪魔であったとしても、

そうした動物の存在を、

素直に心から
認められるようになったとき

私は真のナチュラリストに
なれるのだろう。





10Elk_04.jpg
という言葉があり、

ちょっと
感動してしまいました。

ゴキブリに出くわしたら、

容赦なく
パンパン叩き殺し、

地球上から消えてしまえぇ~

と呪う、えこたびには

上記著者のような心境には
とてもとても
到達できません...



注1) Douglas H. Chadwick (2010)「地球と、生きる オオカミとの戦い」ナショナルジオグラフィック、16(3)、58-77
注2) 丸山直樹ほか(2007) オオカミを放つ―森・動物・人のよい関係を求めて、白水社、東京、193pp

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2010.09.24 (Fri)

風が吹けば桶屋が儲かっちゃう

10GrandTeton_05.jpg
イエローストーン地域は、

生態系の維持のために
オオカミを導入し

世界でもっとも成功した例
なんだそうです。

どんな現象が起きたかというと...

エルクの毛皮が
積極的に利用される


エルク保護のため
エルクの天敵、オオカミを毒殺




10Elk_03.jpg

天敵がいなくなり
エルクが爆発的に増える


エルクは、大好物の
ヤマナラシ、ヤナギ類を食べまくる


おかげ様で、山が丸坊主になる


植生が破壊され食料を失った
小動物などいなくなる

さらには




10Oldfaithful_10.jpg
オオカミがしとめた獲物を
今まで横取りし、

屍肉を食べて生きていた

コヨーテ、キツネ、カラス、猛禽類
もいなくなる...

こうやって、

オオカミを絶滅させたことで

イエローストーンの
植生は破壊され

エルクばかりが
大量にさまようという



Grey_Wolf_01.jpg
とてもおかしな
状況に

なってしまった
そうです。

そこで、生態系を
元に戻そうと

オオカミが
放たれたとか。
(←↓写真は引用
(注1-2))



African_Wolves_01.jpg
すると...

1968年 
エルク 約3,200頭

1995年 
エルク 約19,000頭

1995~1996年
オオカミ 
31頭が放たれる




10MadVolcano_01.jpg
2004年 エルク 約8,000頭
    オオカミ 約190頭

となり、エルクの数が抑えられ

植生も復活、
ビーバーも川に戻ってきたとか。

イエローストーンは
まるで巨大な実験場...

今も、オオカミとエルクの関係は

その動向が
見守られ続けているんだそうです。

すごいと思いません?



10MadVolcano_02.jpg
まさに
『風が吹けば桶屋が儲かる』

であると
えこたび、感動。

されど、

今どきのワカモノは、
この言葉を知らないらしいです(涙)。

確かに最近では

失明しても
三味線は習わないだろうし

オケは、プラスチック。
ネズミにはかじれない...


何かよい現代版の例えはないものだろうか。



注1)  National Geographic/ Gray Wolf in snow 
注2) ナショナル ジオグラフィック日本版(2006)「アフリカ最後のオオカミ」 
参考) 丸山直樹ほか(2007) オオカミを放つ―森・動物・人のよい関係を求めて、白水社、東京、193pp    
    梶 光一(2008) 国立公園のシカ管理:イエローストーンと知床、森林科学、53、18-22

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2010.09.20 (Mon)

ジャクソン・レイク・ロッジ

10GrandTeton_21.jpg
イエローストーン国立公園
の隣には

グランドティトン国立公園
(Grand Teton National Park)

がありました。

2つの公園は

車で20~30分の距離。

入園券も共通です。

景色のバラエティ?や、
広大さは




10GrandTeton_06.jpg

イエローストーンに
及びませんけど

山の美しさは

グランドティトンの方が
断然、勝っています。

ティトン山脈に沿って

ジャクソンレイク
(Jackson Lake)

があり、

この湖と山を



10JacksonLakeLodge_01.jpg

ただ何もせず
眺めているだけで

何とも言えない贅沢感です。

この公園内では

ジャクソン・レイク・ロッジ
(Jackson Lake Lodge)

というところに
泊まったのですが

大きな吹き抜けのラウンジや
レストランから




10GrandTeton_10.jpg

美しいティトン山脈の
絶景が一望できます。

残念ながら私が予約した部屋は

マウンテン・ビューでは
無かったんですが

お庭に面したお部屋も
とってもステキでした。

また、レストランからも
絶景が拝めて

美しい山々とともに
食事できるのも最高でした。



10YS_Food_03.jpg

眺めのよいラウンジでは

本や新聞を読んだりするなど

みんな
思い思いの時間を過ごしています。

ここが
このロッジでは、

唯一、ネットに繋ぐことが
できるところだったので

えこたびも、部屋に戻ってから
いそいそとノートPC持って

出かけました...


10GrandTeton_09.jpg

たくさん人がいたものの
とても居心地がよかったです。

今回は、

イエローストーン国立公園
の方がメインだったので

グランドティトンの方は

あまり日程を
割いていなかったのですが

もし次があるのなら

是非とも、もう少しゆっくり滞在したいぃ。



グランドティトン国立公園 グランドティトン国立公園

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2010.09.16 (Thu)

しろうと理論で山火事を考える

10YS_Tree_11.jpg
イエローストーンの
山火事についての話の続きです。

山火事は
自然現象の一部だとして

積極的な消火活動を
行わなかったわけですが

当時のマスコミ報道では

「破滅」 「焦土化」 「荒廃」

のような
否定的な言葉が選ばれるとともに

公園のほとんどが



10YS_Tree_10.jpg

灰燼に帰したように
報道されたとか。

そして、
管理火災の処置を

まるで何もせず
放任していたかのように

批判されたんだそうです。

今回、参考にした文献(注1)では
私たちの頭の中は

「火災はすべて悪」




10YS_Tree_09.jpg
という先入観が
支配的なのではないか

噴火や地震などの自然災害は

そのまま
受け入れるのに対して

森林火災は
人間が制御可能である

と潜在的に
考えているのではないか

と指摘していました。

また、同時期に
イエローストーンよりも


10YS_Tree_08.jpg

大規模な森林火災が

アラスカにて
発生したそうですが

ほとんど
報道されなかったそうです。

すなわち、
イエローストーンとは

アメリカ人の誇り
とも言うべき存在で

それ故、報道が過熱した
のではないかとしています。



10YS_Tree_07.jpg
そして鎮火後には

まるで手のひらを返したように
意見が一転し

森林の再生を誇張するようになり

イエローストーンは
生まれ変わったのだとして

大々的に報道されるようになったとか。

そのおかげで、
好奇心からか

この公園には、以前にも増して
観光客が訪れるようになったのだそうです。



10YS_Tree_06.jpg
上記筆者は、

火災後の報道についても、
すべて正しいとは言えず

激しく燃えて
思うように回復できていない
ところもあるなど

この大火事の問題は
まだ残されているとしています。

生態系とは
非常に巧妙かつ脆いものだと感じるとともに

自然とともに、
この勝手な人間が共存していくことは



10GrandTeton_01.jpg
本当に難しいよなーと。

えこたびも
火事の最中ならば

きっと管理火災とは何かと学びもせず

マスコミの報道に同じていたような。

そして、

山火事から復活した
という話を聴いて

今、こうやって
遠い日本から、いそいそと
訪れているのですものね...


注1) 伊藤 太一(1991) “イエロ-スト-ン地域における大火災の影響と意義”、京都大学農学部演習林集報、22、163-182



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2010.09.12 (Sun)

何ヶ月も燃え続けた森

10YS_Tree_03.jpg
イエローストーン国立公園の中を
進んで行くと

山が枯れ木で覆われている

ちょっと異様な景色
に出会います。

これは、1972年に

世界初の国立公園として
認定されたあと

1988年に

見舞われた山火事の
痕跡なんだとか(注1)



10YS_Tree_02.jpg

3ヶ月以上にも及んだ
大火事で

この広大な公園の約半分近くが
燃えてしまったそうです。

日本は湿潤気候なので

自然発火により山火事が
起こることはありませんが

北米では
森林火災の半分以上が

落雷による
自然発火なんだそうです。



10YS_Tree_04.jpg
そして、

このイエローストーンで
山火事が生じたとき

管理火災(Prescribed Fire)

として
消火活動を行いませんでした。

管理火災とは
ある一定の基準を超えた場合には

即座に抑制、
消火活動をするものの

それ以外は、自然に任せ



10YS_Tree_05.jpg

その動向を観察し続けるのだそうです。

これは、
山火事とは自然現象であり

この地域の植生遷移や
動植物の多様性の維持

に不可欠である
という考えから。

えこたびは、
数ヶ月も燃え続けるだなんて

なんとオソロシイと思いましたが




10YS_Tree_01.jpg

『火災のそばで
 エルクやバッファローは
 悠然と草を食んでいた』

と聴くと、

動物たちにとっては
大した出来事では無かったのでしょうか...

この山火事については
火災当時から、現在に至るまでも

賛否両論あるそうです。

話が長くなりそうなので
続きは次回にします。



注1) 伊藤 太一(1991) “イエロ-スト-ン地域における大火災の影響と意義”、京都大学農学部演習林集報、22、163-182

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2010.09.08 (Wed)

マンモス温泉

10MammothHotSprings_05.jpg
イエローストーン国立公園では

本当に色々な
景色が楽しめました。

青々とした緑の山や

コバルトブルーの湖、

透き通る川、

エルクやバッファローが
自由奔放に歩き回る景色、

鮮やかな
グラデーションの泉...




10MammothHotSprings_03.jpg

そして北部にある

マンモス・ホットスプリングス
(Mammoth Hot Springs)

というところも

不思議な景色の1つ。

この辺り一帯には
温泉が噴き出しており

さらには
石灰分が多いらしく

その石灰分が堆積して真っ白なんです。



10MammothHotSprings_14.jpg

またその堆積の仕方が
様々な形を生み出しており...

テラスマウンテン
(Terrace Mountain)

というところは、
石灰皿を形成していました↑。

えこたびは

秋吉台の秋芳洞で
同様の石灰皿を

みたことがありますが
こんなに白く無かったような。



10MammothHotSprings_12.jpg

トルコのパムッカレ
中国の黄龍

なども、同様の石灰皿で

有名なそうですが

えこたびは見たことありません。

それにしても、

なんで、
こんなお皿状になるんですかねぇ。

毎日毎日
温泉が流れ続けるので



10MammothHotSprings_06.jpg
形や色は
不動のモノではなく

どんどん変わるんだそうです。

この日も天気が
ものすごくよく

堆積した真っ白な石灰に
太陽光が反射して

暑いこと暑いこと...

おまけに
「マウンテン」という

名が示すとおり



10MammothHotSprings_02.jpg
この景色を拝むのに

山登り状態ですし。
(こんなの山登りのうちには入らないって?)

軟弱ッキーの
えこたびは

へとへとでした。

←マンモス・スプリングスの街で
食べたアイスクリーム。

大盛りを
お願いしたつもりはありませんが

こんなことになってました。


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2010.09.04 (Sat)

グラント・ビレッジで、ぬいぐるみにやられる。

10Oldfaithful_11.jpg
イエローストーン国立公園では

グラント・ビレッジ
(Grant Village)

というところに泊まりました。

イエローストーン・レイクの
湖畔にある宿でした。

部屋に入ると

何とも可愛らしい
クマのぬいぐるみが

出迎えてくれました↓。




10Bear_01.jpg
公園内の宿はすべて
Xanterra Parks & Resort

というところが
経営しています。

この会社は、

米国内のほかの国立公園
の宿泊施設も

いくつも経営しているところです。

このクマは

“For Future Generation”
(未来の世代のために)



10GrantVillage_02.jpg
というプロジェクトの一環。

毎年イエローストーンを訪れる
約300万人の人たちに

公園の環境変化や保護について
知ってもらったり

寄付を募ろうという試みです。

このクマのぬいぐるみ
のみならず

園内で販売するものの
収益の一部は、

公園の維持管理に
役立てられているそうです。


10YS_Food_02.jpg
こうやって寄付を募るというのは

キリスト教文化の
特徴なのでしょうか。

残念ながら、
我が国ではあまり育ちませんよね。

えこたびも

普段から寄付をよくするわけでは
決してありませんが

40歳にもなろうとするのに

このぬいぐるみに、
すっかりやられてしまい



10GrantVillage_01.jpg
しっかりとお金を払って
連れて帰ってきてしまいました。

されど、

ゴージャスな景色を眺めて
気分高揚して部屋に戻ってきて、

この公園の維持管理が
とても大切であること、

えこたびのように

この公園を訪れることで
この公園にダメッジを与えていること

それを読んで、



10Oldfaithful_08.jpg

誰でも
考えてしまうのではないでしょうか。

心理的戦略なの
かもしれませんが

私には
とてもよい方法だと思えました。

ちなみに、

私が泊まったロッジでは
クマが出迎えてくれましたが

園内の他のロッジやホテルでは
オオカミ、エルクやバッファローなど



違う動物のぬいぐるみが、出迎えてくれるんだそうです。
ちょっと、集めたくなっちゃったりして(汗)。


イエローストーン国立公園 イエローストーン国立公園

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