2012.08.26 (Sun)
キツネザル
マダガスカルは
世界にも類をみない
特殊な生物相だとか(注)。
そこに生息する
植物の 約80%
魚類・両生類・は虫類の 90%以上
ほ乳類の 80%以上
が固有種らしい。
その理由は
約1億6000万年前のジュラ紀に
アフリカ大陸やインド亜大陸、
南極大陸から
分離してから、
長い間、
他の生態系から孤立して
独自の進化をとげたこと
大型肉食獣が
出現する前に
他の大陸から離れたので
弱い動物でも
補食されないで残った
などのようです。
しかし
この独自の生物多様性の多くは
現在
消滅する危険性が高い状況。
森林の90%以上が
既に消滅した
と考えられており
現在も進行中。
それに伴い、
多くの動物も
絶滅している。
世界的にみても
優先度の高い保全が
必要とされる地域
であるとされています。
そのため
WWF(世界自然保護基金)
などを始めとして
マダガスカル政府も
自然保護に取り組んでいる。
よって
マダガスカルには
50以上の保護地域が存在し
先日書いた、
ベレンティ保護区もその一つです。
この自然破壊は
地球温暖化などの気候変動の
影響もあるでしょうけど
人為的な要因が大きい。
すなわち、
そこに住む人たちが
伐採して畑を作ったり
焼き畑農業をしたり
外来種を持ち込んだり...
などの影響が大きいそうです。
しかし
それらの行為を非難
することもできません。
マダガスカルは
世界最貧国の一つ。
そこに住む人の生活をも
考えなくては
ならないのです。
すなわち
生物多様性の保全だけではなく
人間が生きていくために
経済効果を生むようなことも
考えなくてはならない。
よって
エコツーリズムは
地域振興事業として
特に重要視されています。
そして、
このような状況の中
キツネザル類の保護は
重要課題だとか。
私がそうであったように
その愛くるしい姿は
マダガスカル観光の
魅力度を高めるとともに
種子や花粉媒介者として
森林保護に直接的な
役割も果たしているんだそうです。
この非常に興味深い
マダガスカルの環境を
維持していくためには
問題が山積
しているようですが
なんとか保たれて欲しいと
そう願います。
ほんと、
キツネザル、かわいかったです。
しっぽがシマシマなのが
ワオキツネザル
真っ白な丸っこいお尻してて、
変な格好で
横っとびするのがベローシファカ
茶色いのが
チャイロキツネザル
です。
日本の8月は
マダガスカルの冬なので
夜は結構気温が下がります。
キツネザルは
朝日が昇ると
冷えた体を、
日光浴で暖めるのが日課らしく
その姿が、
またまたおかしかったです...
注)市野進一郎 (2007) “マダガスカル,ベレンティ保護区におけるキツネザル類の保全状況とその課題” アジア・アフリカ地域研究、 6(2)197-214
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